大気の主な成分は窒素が78%、酸素21%、アルゴン0.9%、温暖化で問題になっている二酸化炭素はわずか0.04%です。雲や雨・雪のもととなる水蒸気は0~1%です。

気体の構成割合
八甲田山連邦

※画像は大気の構成割合をイメージ化したものであり、各成分の大きさの比較ではありません。

窒素(N2) 78%

大気の78%を占める窒素の語源はWiktionaryによると、オランダ語 stikstof ← stik(窒息させる)+ stof(物質)。宇田川榕菴が『遠西医方名物考補遺』、1834、窒素で翻訳。ラヴォアジエの命名したazote(Fr.)に由来(<ギリシア語άζωτικος(azotikos:「生命がない」)、窒素のみでは、実験動物がすぐに死んだことから命名されました。

窒息の窒である。

気体としての窒素は安定した気体分子であり、3.11の福島の原子力事故が起きたときは、水素爆発を防ぐため、水素の濃度を下げるために窒素が挿入されました。

また、活性ガスの酸素に比べると窒素は透過性はその3/1で漏れにくい、酸化の防止、不活性・難燃性で燃えにくくタイヤがバーストしても爆発の危険は非常に少ない等の理由からタイヤに充填されることもあります。

酸素(O2)  21%

生命体には必須の酸素。

酸素は陸上では植物の光合成で生成されます。また、海水中の酸素は植物プランクトンや海藻などの光合成によって生成されますが、バクテリア等の活動によって有機物が分解される際に消費されます。

海中の酸素

大気と海面との間で酸素の交換が行われ、その海水に溶けることができる上限の量付近まで酸素が溶けます。海水に溶けることができる酸素の量は海水温によってほぼ決まります。

気体は、水温が低いほど水に溶けやすくなる性質を持っているため、海面付近の海水の酸素量は、北極・南極等の高緯度付近では多く、海水温が高い赤道付近では少なくなります。

光が届かない深さになると、光合成が行われなくなり、有機物の分解のみが行われるため、海中の酸素量は海面から深さとともに少なくなっていきます。

 さらに、ある深さより深くになると、酸素量は深さと共に徐々に多くなっていきます。これは、南極周辺や大西洋高緯度域で沈み込んだ酸素を比較的多く含む海水が太平洋の深層に流れ込んでくるためです。

海水中の酸素量は、長期的に減少していることが報告されています(IPCC、2019)。貧酸素化と呼ばれるこの現象は、地球温暖化が原因であると考えられており、生態系への影響が懸念されています。

アルゴン(Ar) 0.9%

色・無臭の気体で、空気中に約0.934パーセント存在します。

アルゴンは、語源であるギリシャ語の「怠惰な」「なまけもの」の意味にあるように、常温では化学的に不活性で、「他の物質と反応を起こさない化学的に安定したガス」という不活性な物性を持っています。

白熱電灯・蛍光灯などの充塡ガスに用います。

二酸化炭素(CO2) 0.04%

地球温暖化の一因と考えている二酸化炭素は0.04%程度の組成比に過ぎないのですが、このわずかな二酸化炭素が赤外線を吸収するために顕著な温室効果をもち、大気の温度上昇に関わっています。

二酸化炭素は空気など環境中にごくありふれた物質なので、その有毒性が問題となるありませんが、空気中の二酸化炭素濃度が高くなると、危険な状態に置かれます。

濃度が 3 – 4 % を超えると頭痛・めまい・吐き気などを催します。

7 % を超えると炭酸ガスナルコーシスのため数分で意識を失い、この状態が継続すると麻酔作用による呼吸中枢の抑制のため呼吸が停止し、死に至ります。

水蒸気   0.0%~1%

地球のみに多量に存在する水蒸気の組成比は0.0%から1%ですが、場所や時間によって存在量が大きく変動する気体です。

水蒸気

このわずかな水蒸気の存在が「低気圧・前線・台風・雷雨・豪雪」などの気象現象に密接に関わっています。